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くず
くず

2011年01月25日

17、不自由

教室に入った。

とりあえず自分の席につこうと、松葉杖をつき、机の横に立てて、座った。

すると、まーちゃんが来た。
「おはよう、足はどーだ?ちょっと、この杖借りるぞ」と言って杖を持っていってしまった。

あいつどこに持っていった?

まぁいい、とにかく学校までは来れた。

長い道のりだった。

俺は慣れない松葉生活に初日から、嫌気がさしていた。

(あー、疲れんなー、早く普通に歩きてー)

しばらくしても、まーちゃんは戻ってこない。

本当に何してるんだ。

気になり、片足でケンケンしながら、教室の外に出て見た。

廊下で松葉杖をついて、両足で地面を蹴り、何やら筋トレのような事をしている。


「何やってんだ、他人の杖で!」

まったく幼稚園児じゃあるまいし。

ほっとこ。

俺は自分の席に戻り、寝る事にした。
授業が始まる前から疲れてる。

と、何か頭にぶつかった。
「いてー」

起きて見ると、まーちゃんが松葉で俺をぶった。

「はい、もう飽きた。」
と言い、松葉を還してきた。

普通にかえせよ。

松葉を受け取りまた寝た。

悲劇はこれからだった。

体育の授業に行く時だった。

松葉がない。取られた。

すぐ廊下に出ると、まーちゃんが杖を持っていた。

「まーちゃん、杖還して」と俺が言うと、何を思ったか、逃げ出した。

ケンケンして追いかけた。
俺は本気だった。

階段を下りた。時間がかかる。2階から1階までは手摺りを滑って追いかけた。

と「プチプチ」と音がして、ヤバいと思って、手摺りから飛んだ。
股が破けた感じがして、

着地、両足でついてしまった。
「うおー、」
気を失うくらい痛かった。
もう周りが見えていなかった。

とそこに、「あぶねーなー」という声に振り向くと、3年のT嶋先輩こと、タジーがいた。

(げ、マズイ、ここにも敵が)

「お前、あぶねーんだよ。やっちゃうぞ!このやろ」

いつもなら反抗して、かかと落としを喰らうが、今はそれどころではない。

「あ、タジーいやT嶋先輩、すみません、今日の所は勘弁して下さいな、今急いでて!」
と俺は弱腰。

「わかりゃいいんだよ、お前今日はやけに大人じゃんかよ」
(タジーにかまっている余裕はない)

俺はいい事を思いついた。

「T嶋先輩いつ見てもカッコイイっすね。男の中の男って感じだよなー」

俺はおだてた。
タジーはおだてると舞い上がる。

「そんなの当たり前だろ。」
と、やはり自信過剰。
もう一言
「やっぱり、T嶋先輩しかいないっすよ」
と言った。

すると、タジーは

「お前、やっと素直になったか、あとはA野かぁ」

いつもは、まーちゃんと俺はタジーと戦っている。

「それが、まーちゃんが俺の杖を取って逃げたんすよ」と俺は言った。

するとタジーは
「お前ら仲間割れかー?
いつも二人掛かりで俺に飛びかかってくるのによー。」


「俺とA野どっちがカワイイ後輩なんすか?
タジーは正義の味方だと思ってたのになぁ」
と俺は更におだてた。
とタジーは
「てめえ、俺を誰だと思ってるんだ、A野は何処だ。」

やっとおだてにのった。
俺は「校庭」と言った。
タジーは校庭に行った。

これで松葉杖は100%戻ってくる。

足が痛いので、階段に腰掛けた。
(あ?ズボンの股破けてる、母ちゃんにまた怒られる)

股が破れるの2回目。
前回は2組のアラチに思い切り蹴りを入れた時に破けた。


またやっちまった。

するとタジーが松葉杖持って戻ってきた。

「ほらよ。これから、お前は俺に忠誠を誓うんだな。わかったな!」
と言って階段を登り始めた。
チャイムが鳴った。

タジーが2階くらいに上がって見えなくなる所で、俺は大きな声で
「嫌なこった。松葉杖戻ったらこっちのもんだよーん」と言って逃げた。

タジーに聞こえた。
タジーがすぐ追いかけてきたが。
授業が始まるので、
「次会った時覚えてろ」と言って、戻っていった。

校庭に行くと、まーちゃんが、タジーにやられて倒れていた。


昨日の敵は今日の友?
今日の友は明日の敵?

まあ松葉杖戻ってきたし。
「まーちゃん大丈夫?」
刺客を送っておきながら聞いた。

まーちゃんは倒れながら
「もうダメ」って言っていた。

タジーは一応、O中の総番?みたいな感じ。
確かに強いんだけど。

足が治ったら、またおちょくりに行くかな。



Posted by くず at 16:04│Comments(0)
 
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