40、Hさん
水泳部のHさん。
しばしば気にはなっていた。
これは恋なのだろうか?
好きな気持ちっつーのはどこからくるのか?
(そんな事はどーでもいい)
どうせコクるなら、Hさんで決まり。
「まず1人決定。」
「あと、もうひとり。」
こんな危機に直面したのは久しぶり、ピンチだ。
朝の通勤ラッシュに揉まれながら考えた。
こういう時は時間が経つのは早い、が、
学校に着いたとたん、
朝からK田がうるさい。
「ケンイチーモーーニング」
と、この調子。
うるさい小デブがぁ。
「今日はかまってるヒマないんだよ」
というと、アキトを呼んで来た。
アキトはガリガリ。
うざいコンビになっている。
「ケンイチー元気ないんだってー」二人でこんな感じで。
この凸凹コンビから逃げ、ハラツヨのところへ行った。
黙ってハラツヨのクラスに入ると
「おー、珍しいなーセミ来たか、よく来たなー」
とハラツヨに合わせて、
ケンタロが高い声で「ヨクキタナ」と復唱で歓迎された。
ケンタロはハラツヨの召し使いみたいな感じなのだ。
ドラえもんでいう所のジャイアンとスネオみたいな。
「どーした、どーした」
「ドーシタ?」
こちらでもコンビかよ。
俺はドット疲れて、誰かに相談しようと思った自分が恥ずかしくなった。
というか、この学校で一番相談相手に向かないやつらだった事に気がついたのだった。
「いや、顔、見に、来た、だけ」
とため息混じりにいったが、
「おーそーか、セミも寂しくなる時があるんだな?」
ハラツヨはご機嫌。
「アルンダナーセミ」
ケンタロ復唱。
更に疲れた。
とにかくもうひとり。