20、足治った?
飛べないセミになって、
3週間ほど経った時だった。
「今度の日曜日記録会だっでさ。」と
まーちゃんが教えてくれた。
「俺まだ走れないよ」
と言ったら、
「もう治ってんだろ?」と言って、松葉杖を何処かに隠しにいった。
(お前は医者か?)
俺もムキになって、普通に歩く事にした。
「あれ、痛くない」
治ったのか?
どーだ俺の回復力は。
復活。
と思ったが、一応足の腫れを確認した。
よく見ると、ゴルフボールくらいあった腫れが、半分くらいになっていた。
いけんじゃん。
少しハッピーになった。
まだ怖いのでまだサポーターは付けとく事にした。
すると、まーちゃんが戻ってきた。
(本当にいつも余計な事するの好きだね)
「歩けんじゃん」
「まーね」と俺は言って、とりあえず廊下を徘徊した。
A路がいた。
「おみゃえ、やしにゃおったにょきゃよー」
(お前、足治ったのかよー)
と言ってきた。
前にも言ったが、A路は滑舌が悪い。
「いーかげん日本語しゃべれ」と必殺技、馬場チョップ食らわした。
「アヒャ」
(あ痛)
「こにょやりょー」
(この野郎ー)
と言って、反撃にでそうだったが、
俺は走って逃げた。
「走れる」
「治ってるぜ。」
だいぶハッピーになった。
<次話へ続く>