バレンタインデー(4)

くず

2011年01月19日 02:10

まーちゃんは時にすごい残酷な事をする。

K田は本日の犠牲者である。
机に戻り、俺は寝たフリをした。「誰も話しかけるんじゃない」(今日だけは)

そして、平和に時間が過ぎて行った。

給食を食べ終わり、昼休みになった。
いつもなら外に遊びに行くところだが、今日はかばんの中身が心配で、動く気にはなれなかった。

一先ず、待機。

こんなに憂鬱なのは、いつぶりか?
そんな事を考えていると、5組のT木が俺の所に来た、
「オーイ、モズO、はらちゃんがお前の事呼んでたぞ、1組にこい」とまぁごくろうなこった。
(お前はハラツヨ(はらちゃん)の召使か?)

かばんが気になったが、とりあえず1組に行った。

1組に入ると、ハラツヨはヒーターの所で、くつろいでいた。

「おー、セミよくきた。とりあえず、座れ。」
俺はハラツヨには(セミ)と呼ばれていた。
何故かは後で説明しよう。
俺は「用があるなら、てめぇがこい。」と言った。
余談だが、
こいつは俺らの学年ではまぁ番長的な存在で、まーちゃんとは違う残酷さがあるが、
ハラツヨは腕力では、まーちゃん、トモツグ、俺には勝てないので、絶対手は出さないのである。(たぶん)
ちなみにハラツヨはバスケ部。

初めの頃は陸上、バスケ、バレー部(3大運動部)は仲が悪かったが最近は仲が良い。

話しを戻そう。

俺は「用があるならてめぇがこい」と言った。
すると、ハラツヨは
「お前のクラスに入るの、恥ずかしいんだよ」と言う。
ハラツヨは女子と恥ずかしいので話せないのだ。
でも、その分男子には残酷、卑劣なのだ。

「なんか用か、用がねぇなら帰るぞ!」と言った。

「そんな事言うなよ、冷たい事言うなぁー、同盟の仲じゃねーか?!」
といいやがる。

(そうだ、コイツと同盟を結んでいたんだったー)

「会議だよ、会議!」とハラツヨ。

「で、議題は?」と俺。

「チョコレートを貰えるかなぁ」
ハラツヨは言った。

「お前、いじめっ子だから、貰えねぇだろ」ハッキリ言ってやった。

「真面目ならもらえんのか?」と言って学ランのボタン、ホックを全部しめ、ズボンを上げてはき、胸ポケにはボールペンをさしだした。

俺は「それでいい、今日はずっとそれだ」と言って自分のクラスに戻ろうとした。

ハラツヨは「おい、セミ!これでチョコレートもらえなかったらどーなるかわかってんだろうな?!」と吠えていた。
「あ〜?文句があるなら、3組にいつでもこい」
と言って1組を出た。