9、転校生 悪童への道

くず

2011年01月16日 02:55

(そうだ、悪だ、悪。)

自分に言い聞かせていた。
優しい人はいつも損をする。[貧乏くじ編参照。]

(悪に生き、男らしく生きるんだ。
来る物全て薙ぎ倒す。)

そして、アメ横に行き、ドクターマーチンのロウカットを買った。
(高かった!おこずかい叩いた)
最強の武器を手に入れた。
なんと、この靴、つま先に鉄板が内蔵されているのだ。
これで蹴られたら、ひとたまりもないだろう。

更に、鎖の付いたハーレーの皮財布も買った。

髪もバッチリ、学ラン、財布、靴。
攻撃力、防御力、カッコよさ全て揃った。

体力はあるから大丈夫。

しかし、敵がいない?!

まぁいい。

とにかく、そこら辺の硬い物を蹴って威力を確かめていた。
これは、ギブスとは違う。鉄だ。壊れない。
[痛い思い出編参照。]

(俺は)毎日、通勤電車に乗り、登校していた。
電車通い。

満員電車で、足を踏まれても大丈夫。(ドクターマーチンありがとう)
後は、おしくらまんじゅう。
いつものように学校があるO駅で降りた。

ホームから階段を上がって、改札を出るところで、セーラー服を来た女子がいた。
「ん?見ない顔」
「先輩?後輩?」
「違う、スカーフ緑だし、」
「同級生だろ?見た事ないなぁ」

スカーフは学年で色分けされている。俺の学年は緑、男子はクラスショウ、女子はスカーフで見分けがつく。

「誰か待ってるのかなあ?」
俺は通り過ぎて、学校へと向かった。

しかし、可愛かったなあ。女子にしては長身で、ショートカット。色白で薄い顔。
タイプだった。


と学校行くと「転校生が来るってよ」
なんだかなぁー、やっぱりさっきの子だ。

「見に行こうぜ!」とまーちゃん。
「俺はいいよ、さっき駅で見たし。」
さっきの子が見せもんになるのが少し嫌だった。
「可愛かった?」とまーちゃん。
「べつに。」と俺。
反対の事を言った。

俺は少し考えた。

(これは一目惚れか?)

違うクラスだったが、
(あの子、部活入るのかなぁ?)
てな事を考えていた。


その頃、悪に目覚めかけていた(俺は)毎日スカシテいた。

スカスとは愛想がなく、
限りなくクールな感じ。
もちろん、女子とは喋るのをやめた。

学校の窓から、下の人に向かってツバを飛ばす。

トイレで小便してる奴を横から蹴る。

小便を周りの奴にかける、など、イロイロ。


文句言う奴は握力で手を握り潰してやった。

ただ、まーちゃんとトモツグにはずっと勝てなかった。

その頃は成長が早かったのか、学年でも力自慢だった。

それもそのはず、毎日あんなに走ったり、筋トレやってれば誰でも強くなるよ。

学校では、お豆な存在(安全地帯にいる人)になってきた。